こんにちは。聖一朗(@sei01row)です。
関東近辺在住のバイク乗りさんなら、一度くらいは千葉県へツーリングに訪れたことがあると思います。
人気のスポットはいろいろありますが、どうせ千葉に来たんだから『こんないい所があったよ』って地元で話せる場所も知りたいですよね?
今回ボクがオススメするのは、大多喜町のスポットと勝浦市にある『鵜原理想郷』という所。
普段よく千葉に来ているよ!という人も、いつものルートにプラスしてみてはいかがでしょうか?
目次
大多喜町ってどこ?
千葉県外から来る人はきっと、大多喜町と聞いても『どこよ?』って思われるのではないでしょうか?
大多喜町というのは、アクアラインや京葉道路で千葉に入り、下道で外房へ向けて内陸を突っ切って来ると、途中にある街です。
チーバ君で説明すると、だいたい横っ腹から骨盤のあたりでしょうか?
『養老渓谷がある街』というと分かってくださる方もいるかもしれません。
でも今回は養老渓谷ではなくて、その他のスポットを紹介していきます。
正確には千葉県夷隅郡大多喜町っていうんですが、実はここは古くから“城下町”として栄えた町だったんです。
だからもちろん“大多喜城”というお城があったんですが、あの徳川四天王の本多忠勝が築城したんだそうです。
ちょっと興味が湧いてきましたか?
大多喜駅からスタート
今回は大多喜駅からスタートします。
地方にしては結構立派な駅ですよね?でもこの駅ってJR線ではなくて“いすみ鉄道” というローカル線の駅なんです。
駅前にバイクを停めて辺りを見回してみると『天然ガス記念館』なんてのがありました。
どうやらこの大多喜町って、千葉県で初めて水溶性天然ガスが発見された場所だそうです。
『天然ガス記念館』の前には、レトロなガス燈が灯っています。
とても光が弱くて、昼間だったので点いているのかどうかが良く分からないほどでしたが、
中をよく見てみると・・・
たしかにマントルが光っていました。
ガス燈ですからね、明治時代はこのガス燈がスタンダードだったそうです。
その後石油ランプや電球が普及しだすと、ガス燈はどんどん町中から姿を消していったんですね。
そんな『天然ガス記念館』は無料で入場する事が出来ます。
『底知らずの井戸』
徳川四天王の一人、本多忠勝が築城したという『上総大多喜城』は、大多喜駅からこの大手門をくぐって向かいます。
駅から歩いていくには、上り坂ですしちょっと遠いのでバイクではなく電車で来た方は、駅前の観光案内所で電動自転車がレンタル出来ます。
大多喜城の天守閣に行く前に、築城の際に掘られたという『底知らずの井戸』を見に行ってみましょう。
徳川家康の命によって築城された大多喜城ですが、小高い丘の上に建っています。
戦の際、籠城ともなると水の有無が生死を分けると“日本一を呼ばれる井戸”を掘ったそうです。
それがこの井戸。確かに大きいです。
円周は17m。普通の井戸の4個分くらいはありましたね。
大きいは大きいんですが『日本一の井戸』とググってみると、一番先に出てくるのは香川県の丸亀城にある『日本一深い井戸』でした。
なので“日本一と呼ばれる井戸”なのかもしれません。
中を覗いてみると・・・
深さは約20mもあるんだって。
この井戸には逸話が残っていて・・・
八代藩主 松平正和のときだ。
「あの大井戸は、底知らずの井戸だ。いくら水を汲んでも尽きることはない」
「いや、そんなバカなことがあるか。たくさん汲めば水はなくなるに決まっている」
「いや、尽きることはない」
侍(さむらい)たちが言い争そっている。そこで、殿様に許しを得て井戸の水を汲み出すことになった。
城下の力自慢五十人の人夫を集め、水が汲み出された。八個の滑車に十六個のつるべ桶で、水汲みが行われた。人夫たちも言い合った。
「底のない井戸なんてあるものか。昼頃には底が出てくるさ」
「いや、底なしの井戸といわれているらしい・・・」
「こん井戸は夷隅川につながっているらしいぞ」
「夷隅川どころか、遠く太東岬(たいとうさき)の海につながっているんだって」
「そんなばかなことがあるもんか」
「いや、城が敵に囲まれたら、大井戸に逃げ道が・・・」
陽が沈み暗くなった。それでも作業はつづき、夜を徹して水を汲み出した。朝を迎えた。さすがにみな、疲労の色は隠せなかった。
「本当に底がないのかねえ」
「ばかな、あるにきまっている。もう一日、水を汲み出してみよう」ということになった。
いくら汲み上げても底が見えない。必死になって汲み上げた。二日目の夜になった。それでも底は見えてこない。やがて、東の空が明るくなり夜が明けた。
井戸をのぞいて見ると、相変わらず満々と水をたたえている。
「やっぱり、お城の井戸は底なしだ」
みな、その場に長々と寝そべってしまったと。
おしまい
(千葉県HP『語り継ごう千葉の民話・民謡・童謡』より引用)
なんと8個もの滑車ですよ!
それに16個の桶で丸2日水を汲みだしても底が見えないんですよ!!
最強ですね。まさに『底知らずの井戸』“日本一を言われる井戸”ですね。
一見の価値ありですが、実はこの井戸の場所ですが・・・
大多喜高校の敷地内にあるんです。
ボクが行ったのは土曜日だったんですが、グラウンドや体育館には部活動にいそしむ高校生がたくさんいました。
どうも出入りは自由のようですが、あまり高校生たちをジロジロ見ない方が良さそうです。
変な人に間違われてしまいますので。
井戸にまっしぐらに向かって、鑑賞した後はそそくさと退散しましょう。
大多喜城の本丸へ
井戸からさらに上に登っていくと、来場者駐車場があります。
普通自動車は200円かかりますが、なんとバイクは無料!
看板が建っていましたが、入り口の左わきから入って行きます。
ちなみに出る時も同じところから出ますので、他のバイクが入ってきたときは『譲り合いの精神』で。
駐車場からはさらに登りです。
小高い丘の頂上まで歩くわけですが、それほど標高が高くはありませんので、夏は普通に暑いです。
真夏の登りは厳しいですから、水分補給を忘れないようにしたいですね。
これが上総大多喜城の天守閣です。
もちろん再現されたものですが、大きさはそれほど大きくはありません。
ビルの高さでいうと5階建てくらいでしょうか?
この上総大多喜城は、前述の通り本多忠勝により築城されました。
本多氏が三代城主を務めた後、安部氏などの譜代大名が入りましたが、元禄16年に松平氏が入城。
その後は明治維新まで松平氏が治めていたそうです。
瓦屋根をよく見てみると、二つの家紋があることに気づきます。
一つは大きな木のような家紋。そしてもう一つは手裏剣のような家紋。
これはそれぞれ本多家と松平家の家紋だそうです。
松平家が治めていた時代に本多家の家紋が使われていたのかは分かりませんが、両方の家紋があしらわれているのは、きっと歴史ファンにはたまらないんでしょうね。
下にあるのは、井戸を見に行った大多喜高校です。
千葉は高い山がありませんので、高台に上がれば見晴らしはとてもいいです。
かの本多忠勝も、この景色を眺めたのでしょうか?
お城へ来る途中にも、このノボリを沢山見かけました。
大河ドラマに採用されたら、この大多喜町も一躍有名な場所になるんでしょうね。
そしたらこの記事もバズるかもしれませんので、N○Kさん!ぜひよろしくお願いします!
バイクで勝浦方面へ
勝浦はチーバ君でいうと、大体お尻辺りにある場所です。
勝浦と言えば、千葉三大ラーメンのひとつ『勝浦タンタンメン』。
せっかく来たんだから食べてみたい!と思ったんですが、『勝浦タンタンメン』といえば有名なのが“江ざわ”や“いしい”というお店。
ここはいつ行っても混んでるし、違うお店を紹介しようと思って向かったのがコチラ↓
まんまる亭さんです。
ここは有名店なのか?と聞かれれば、有名ではありませんが『勝浦タンタンメン』を出すお店の一つです。
ここに行ったらもちろん『勝浦タンタンメン』を注文する・・・と思いきや、この日はとても暑かったので、ボクは思わず・・・
『勝浦タンタンつけ麺』を注文してしまいました(汗)
しかも辛さ控えめで。
だって辛いのがあまり得意ではないんですもの・・・(じゃあ食うなよって言わないで)
麺は、つけ麺のスープに絡みやすい太麺でした。
スープにはトロトロになったニンニクが見え、タンタンメンの辛さが想像できます。
一口すするとニンニクの香りが鼻から抜けていき、後から舌にシビれを感じる辛さがやってきます。
麺には歯ごたえがあり、噛むほどにスープが絡まって存在感が増していきますが、しっかり噛まなくては呑み込めないような弾力が歯に伝わってきました。
空腹の胃袋が「早く呑み込んでくれ」と要求してくるのを我慢しつつ、口の中で辛さと旨さを堪能。
気づかないうちに麺は、スープの器にどんどん吸い込まれていき「あっという間」に食べきってしまいました。
勝浦にお越しの際は、有名店ではない“名店”を探してみるのもいいのではないでしょうか?
鵜原理想郷
ボクも初めて行く場所だったので、ナビを頼りに向かってきましたが、明らかに違うような気がする・・・
『この先行き止まり』という看板を無視したグ○グルマップに従って進みましたが、こんな海岸線にやってきてしまいました。
「絶対間違ってる・・・」と思いつつも、キレイな海を眺めながらバイクを走らせていると・・・
前方には怪しいトンネルが見えますが、このままバイクで進むわけにもいかなそうです。
仕方ないので、ここでバイクを停めて徒歩でトンネルに向かいました。
でも向こう側がどうなってるかも気になります。
千葉にはこのような『素掘りのトンネル』が多いんですよね~。
トンネルを抜けるとそこには・・・
え?合ってるの?こっちで良かったの??
ど・・・どうやらここで良かったみたいなので、進んでみることにしました。
(ちょっとバイクが心配だったんですが、引き返すのももったいなかったので)
歩を進めるとすぐにガイドマップがありました。
鵜原理想郷とは、海岸線が入り組んだリアス式海岸になっており、岬ごとに見どころがある場所です。
岬の先まで行っては戻り、また違う岬へという形ですので体力勝負ですね。
どこに何があるのかも良く分からずに、とにかく行ってみることにしました。
青の洞門
まずは『青の洞門』が見られるという毛戸岬に向かいます。
岬というと見晴らしがよく、広い海が一望できる場所という印象ですが、ここは草が鬱蒼としていて、その隙間から景色を楽しむといった感じでした。
こんな場所で『青の洞門』が見られるのかな?と思いながら、草の隙間をのぞき込むと・・・
・・・遠いな。
確かに見えますが、この写真も実はズームしたものです。
周りを見回すと、近くに降りて行けるようで岩場を歩く人が見えました。
一瞬「行ってみようかな」と思いましたが、あそこまで降りて行って、また登ってくる事を考えたら「ここからの眺めを楽しんどこう」という気持ちになりましたね・・・。
篠田悌二郎句碑
次に向かったのは、この鵜原理想郷の“目玉”と言ってもいい場所『篠田悌二郎句碑』です。
向かうのはいいんですが、ここは全くもって迷路のようになっています。
所々に看板が立っているんですが、これがまた分かりづらい・・・。
まるで理想郷に迷い込ませようとしているかのように。
この脇から入って行ってください。(ここを見つけるのに苦労しましたよ、ホントに)
『篠田悌二郎句碑』が見どころって、そんな人知らないよと思うかもしれません。
この篠田さん、日本では有名な俳人なんですね。
ここ『鵜原理想郷』には「崎山に 千草の平ら 虫の原」という俳句の碑が立っているんですが、それがコチラ↓
そう、句碑が建てられている場所が、とても幻想的なんですね。
素敵な場所でしょ?
でもこの砂の柱のようなものの高さは、ちょっと想像しているより低かったです。
多分1.2mほどですね。
中がくぐれるのかと思ってましたが、全然くぐれる高さではありませんでした。
それでも一見の価値はあります。
是非足を運んでみてください。
黄昏の丘
『篠田悌二郎句碑』から、さらに進むと『手弱女平(たおやめだいら)』という岬に出るんです。
ここも絶景スポットなんですが、ボクはそこまで行く体力はありませんでした。
そして次に向かったのが『黄昏の丘』です。
ここは『白鳳岬』に向かって歩きます。
『白鳳岬』の『毛戸岬』と同じく草が茂っていて、その隙間からは段階絶壁が垣間見えます。
写真だけ見ると、とても良い場所に見えますね~。
『黄昏の丘』は開けていて、きっとお弁当を持ってきて、ここで景色を見ながら食べたら気持ちがいいんだろうなと思える場所でした。
この『黄昏の丘』から見る夕日は、下に広がる鵜原海岸の海に反射して、とても綺麗なんだそうです。
好きな女の子をデートに誘ったら、お弁当を持ってここに夕日を見に来れば、彼女はイチコロですよきっと。
鵜原理想郷の駐車場
この『鵜原理想郷』という場所は、このように紹介した通り見どころ満載の景勝地です。
でも岬を行ったり来たりしますから結構歩くことになりますので、 それなりの覚悟を持ってきてみてください。
ちなみに帰りがけに周辺を調べたら、しっかり駐車場がありました笑
でも全部で15台ほどなので、きっとそれほど混むこともないんでしょうね。
めがね岩
ツーリングの最後に目指したのは『めがね岩』。
ここも有名な場所ではありませんが、勝浦に出かけたら写真に収めたい場所です。
土手を伝っていけば正面まで行けそうでしたが、バランスを崩すと海に落ちてしまいそうな場所だったので、近くで写真を撮りたいという人は充分注意してくださいね。
『めがね岩』の手前は砂浜になっていますが、遊泳している人はいませんでした。
さらにBBQなども禁止らしいので、眺めるだけにしておきましょう。
勝浦には他にも見どころがあります
今回のツーリングは大多喜町から勝浦に向かうルートでしたが、勝浦には他にも見どころがたくさんあります。
以前の記事でも勝浦のスポットを紹介してます。
また勝浦には漁港もあるので、美味しいお魚が食べられるお店もたくさんあります。
ツーリングに関わらずドライブやデート、旅行などにも是非足を運んでみてくださいね。
最後に・・・ツーリングに行ってきたのに、またバイクの写真がありませんでした(汗)
コレです。どこかで見かけたら声をかけてくださいね~。