こんにちは。聖一朗(@sei01row)です。
会社で人事を担当する立場の人なら『良い人材を採用したい!』『でもコストは抑えたい』という気持ちを常に持っていると思います。
『良い人材』に関しては、その企業によっても基準が違うと思いますが、『コストを抑える』についてはいくらだと使い過ぎで、いくらくらいが丁度いい金額なんでしょう?
もちろん採用したい人数や、会社の所在地などによって大きく変わってくると思います。
今回は中小企業において、良い人材を採用する経費(予算)はどのくらいが妥当なのか?という事について書いていきたいと思います。
他の会社は求人に対してどのくらいの予算を割いているのか?その目安を知りたい方は必見です!
目次
求人予算と実績について
※引用先;マイナビ 中途採用状況調査(2018)より
上記の表は、会社規模別・業種別・地域別に中途採用時に用意した予算金額と実際にかかった費用(実績)を示しています。
中小企業では、やはり予算・実績共に50万円以下が多い中、平均を取ると従業員60人未満の会社でも平均200万~250万円。
月間に直せば約20万円ほどかけている計算になります。
この表を見ると『いったい何人の募集に対しての予算・実績なの?』と思いますよね?
※引用先;マイナビ 中途採用状況調査(2018)より
保育・教育・通訳が極端に低いのは、学校で資格を取ってそのまま就職をするという人が多く、比較的転職が少ない職種だからでしょう。
こちらを予算・実績の表と合わせて考察すると、中小企業(60人未満)での年間予算が50万円程度なのは採用人数が年間1名程度だからという事が言えますね。
今まで「1回の求人予算が5万円」と言っていた企業に関しては、10回出さないと採用出来ない計算になります。
さらにスキルによっては、コンサル・金融・不動産のように90万円近くの予算をかけている職種もあると考えると、1回5万円で採用できていたのは奇跡なのかもしれませんね・・・。
求人広告と人材紹介の採用経費
良い人材の採用をする手段としては、必ずしも求人広告を利用しなくても、最近では人材紹介(有料職業紹介事業)を利用して採用効率を上げる企業も増えています。
有料職業紹介事業とは、営利を目的とするか否かにかかわらず、職業紹介に関し 手数料又は報酬等の対価を受けて行う職業紹介事 業をいいます。 有料職業紹介事業は、職業安定法(以下「法」といいます。)第 32 条の 11 の規定により求職者に紹介してはならないものとされている職業(具体的には港湾運送業務に就く職業及び建設業務に就く職業がこれに当たります。) 以外の職業について、法第 30 条第1項の厚生労働大臣の許可を受けて行うことができます。
引用;厚生労働省『職業紹介事業の概要』より
つまり求人広告を出して応募を募り、面接をして採用というプロセスの中で『応募を募る』という工程を紹介会社に依頼するという方法です。
その際紹介会社には手数料を支払いますが、この経費は求人広告の原稿作成から応募受付までの手間や時間を削れる分、それなりの金額がかかってきます。
コストがかかる分、紹介会社は面接する(採用の可能性のある)人材を連れてきてくれますので、求人広告より採用は近道ではありますけど・・・。
※引用先;マイナビ 中途採用状況調査(2018)より
先ほど同様に60人未満の会社で比較すると、人材紹介は求人広告費用の約1.6倍の費用が掛かっていることになります。
職種や地域によっては、それ以上かかっていることを見ると「お金がかかってでも良い人を採用したい」という企業は人材紹介を「時間がかかっても経費を抑えたい」という企業は求人広告を利用した方がいいですよね。
中小企業での求人広告の考え方
広告内容の打ち合わせの時に、必ず・・・と言っていいほど、値段交渉が入ります。
まぁ「もっと安くしろ!」って事ですね。
営業とお客様の折衝の中では当たり前の事ですが、良い人材を採用する上で大切な事は『露出』と『動機づけ』を増やす事です。
『露出』と『動機づけ』についてはコチラの記事で書いてます
https://yatte-blog.com/2018/10/29/joboffer-point/
求人広告の営業の仕事としては、お客様から今回はどのような職種でどんな人物が欲しいのか?という事をヒアリングし、
そんな人を採用するには広告の露出がどの程度必要か?
動機づけを盛り込む上でどのくらいのサイズの広告が必要か?を考え、そのボリューム感を提案しますが
大半の場合は却下されます。「高すぎる」「他はもっと安い」「もっと小さいサイズでいい」と。
そんな時いつも思うのが、広告を出す目的についてです。
求人広告を出すことは、あくまでも良い人材を採用する手段であって、これが目的ではないにも関わらず、広告を出す事が目的となってしまっている為、できるだけ安くしたいと考えてしまうのです。
求人広告の費用をなるべく下げたいというのは、もちろん分かるんですが営業側も『応募』や『採用』といった結果が求められていますので、単純に高いものを売りつけようと思っているワケではないのです。
では人材採用において、どのくらい予算をかけるのが良いのでしょうか?
適正予算の目安は『給料1ヶ月分』
※引用先;マイナビ 中途採用状況調査(2018)より
先ほど登場した『中途採用時、1人当たりの広告費』の表ですが、こちらから考察すると採用する予定の人材の概ね給料1ヶ月分相当かかる事が言えます。
もちろん1回の求人費用が5万円でも内容や職種などによっては、とても良い人が採用出来ることがあります。
でもそれはとても運が良い事なんですね。
どこの企業(60人未満の企業)でも年間で定期的に採用していく場合は、200万~250万円は予算をねん出しているワケですから。
それを踏まえた上で、適正な予算を取るようにしていくことをオススメします。
企業にとって人材は“人財”
会社のスローガンに『企業は人なり』という言葉を掲げている所も多いのではないでしょうか?
ボクは長年、求人広告の営業をしている中でこの言葉は正しいと思っています。
企業(会社)とは、そこで働く社員の良し悪しによって優良企業にもブラック企業にもなります。
その為、求人の際にどのような人を採用するのかは、その場の人数合わせなどではなくて、今後の会社の未来がかかってると言っても決して言い過ぎではないです。
ではどうしたら“人財”と呼べる人が採用できるのか?
それを見極める手段については、また別の機会にするとして募集の際には選べる状況を作る事も大切です。
仮に1名採用するとして、そこに何名の応募を集めなくてはいけないかを考えると、募集の予算を少なくすることはオススメ出来ません。
例えば高級レストランが食材にお金をかけるように、会社の将来を担うであろう“人財”への先行投資は惜しまずに経費をかけるということも必要だと考えます。