こんにちは。聖一朗(@sei01row)です。
ここ最近求人広告での詐欺が頻発しています。
ボクは求人業界で働いていますが、担当しているお客様でも実際に引っかかってしまい、多額の支払いをしてしまったという会社もあります。
今回はそんな最近多発している『無料掲載』を謳った詐欺の手口と、詐欺に合わない為の対処法を解説していきます。
目次
詐欺の手口
実際にあった事例を紹介します。
株式会社セーイチロー(仮名)の人事担当者(個人名ではない)宛に「インターネット求人広告に3か月間無料掲載!」というFAXが届きます。
ここ最近求人を出しても集まらず、採用にコストをかけ過ぎていたにも関わらず採用が出来ていなかった担当者は悩んでいました。
その為、怪しいとは思いつつもそのFAXに乗ってしまいます。(勝手に掲載された後に『無料で』という電話が入ったケースもあり)
3か月後、担当者の手元に数十万円の請求書が届きます。それは『無料掲載』を謳っていたあの求人会社から。
無料だと思っていた担当者は青ざめて、最初に届いたFAXで連絡先を確認しようとよく見ると、そこには『3か月後、停止の連絡が無ければ自動更新』と小さく記載がある事に気づきました。(電話での口頭説明だったという事例もあり)
その会社は泣く泣くその請求を支払うハメに・・・
・・・恐ろしいですね。3ヶ月後の事なんて覚えていないですよね?
私担当のお客様では、終了直前にその会社に連絡したが、何度かけてもつながらず期限が過ぎてしまったという悪質なケースもありました。
求人の採用難が続く昨今、とても他人事ではない話です。
被害に合った会社の傾向
恐らく詐欺グループは、様々な求人サイトに掲載されている企業をチェックしているだけではなく、その会社の掲載頻度などから『ある程度支払い能力のある会社』を見定めています。
例えば、求人サイト内で大きめのサイズで広告を出していたり、短いスパンの中での掲載頻度が高いといった会社です。
また元々掲載料金が安い業者を使っている場合も、『値段で業者を決めている』とターゲットにされます。
求人広告会社を1社に絞ったり、様々な媒体(求人サイトや求人フリーペーパーなど)を交互に利用するなど、詐欺グループはもとより求職者にも『頻繁に出ている』という印象が付かないようにしましょう。
詐欺に合わない為の対処法
信用のない業者は使わない
求人広告の業界には『公益財団法人 全国求人情報協会』(HPはコチラ)という団体があります。
ここのホームページでも注意喚起をしていますが、この協会に加盟している業者であれば間違いはありません。
とっさに確認が出来なければ、『無料』を謳っている会社から連絡が来たら「なぜ無料なのか?」「期間はいつまでなのか?」「無料期間が終わったらどうなるのか?」を詳しく確認しましょう。
決断を急がず、ますはその業者のホームページを確認したり、口コミ情報なども調べてみましょう。
いくら無料だからと言っても、求職者が知らない(見ない)サイトに出しても応募なんかあるはずがありません。
まずは冷静に判断する事をオススメします。
アライアンスサイトに掲載があるか?が基準
indeedのようなアライアンスサイト(求人のまとめサイト)への掲載があるか?がある程度、求人媒体を選択する基準になります。
アライアンスサイトは検索エンジンでも上位に来ることが多い為、求職者の目にも付きやすく応募も期待できます。
求人媒体を選ぶ際は、この辺りを選択のポイントとしましょう。
掲載頻度を少なくする。
いくら応募が無いからと言っても、求人広告の乱発は企業イメージを下げてしまい良い事がありません。
1度掲載したら、2ヶ月は掲載を開ける事が理想です。
もし急募だという場合は、求人を出す媒体を変えてみるとか一定期間は派遣社員を雇うなど、採用方法を変えてみるというのも方法のひとつです。
常に見積書を出させる
例え無料とはいえ、事前に見積書を提出させるというのもいいと思います。
見積書を出せないという場合もありますし、複数の業者に見積もりを出させれば料金を比較する事も出来ます。
また複数の業者から取り寄せる事で、大体の相場感も理解できるようになります。
担当者を会社に訪問させる。
まず掲載する前にどういうプランがあるのか?という事を確認したり、来訪した営業の名刺をゲット出来ます。
また高額の請求書を受け取った後に『払うから会社に来い!』と言ってみるのも効果的です。
ただ会社に来たから安心というワケではないので、その場での契約は避けて改めて検討してみてから返事をするようにしましょう。
それでも詐欺に合ってしまったら
もうすでに掲載をしてしまっているという会社の方、またはこれから『知ってはいたけど』求人掲載をしてしまったという場合は、おそらく掲載期間中に求人担当者に電話がつながる事はありません。
無料掲載期間が過ぎて、高額の請求書を受け取ってしまうでしょう。
そのような場合でも、安易に請求には応じないでください。
まずは弁護士や行政、弁護士会の法律相談サービスなどに相談する事をおすすめします。
※弁護士会電話無料相談、行政の無料相談など(各機関は、地域によっては無料でないところもあります)
※それでも自動更新について申込書に記載があれば、更新契約したとみなされる可能性があります。
※さらに実際に広告が掲載されていれば、相手にはその時点では契約違反はないため、支払い義務が生じる可能性があります。
・・・まずは慌てずに然るべき対処を行って下さい。
まとめ
ここ数年、求人業界で働いていると特に『中小企業の採用難』を肌で感じます。
詐欺というのは、そのような弱い部分につけこんできます。
それでも『無料で』なんていうウマい話には、必ずウラがある!という事を忘れないでください。
人が集めきれない事で、人事担当者は頭を抱える時代になっています。
まずは求職者にアピールできる自社の強みを考えるなどの訴求方法の見直しなどから考えてみてはいかがでしょうか?