こんにちは。聖一朗(@sei01row)です。
4月1日からスタートした外国人の新しい在留資格『特定技能』。
似たような名前で『外国人技能実習生』というのがありますが、イマイチ違いかよく分からない・・・という方も多いはず。
その違いを調べても、何やら難しすぎてワケワカラナ~イとなってません?
ボクもそうでした。だから難しい事はさておき、簡単に違いを解説してみます。
違いを一言で言うと、人手不足解消の『特定技能』と国際貢献の『技能実習生』となるんですが、そこら辺を解説します。
目次
外国人の在留資格
在留資格(いわゆるビザですね)を大きく分けると5つに分かれます。
①留学生
在留資格は「留学」となります。学生の勉強目的ですね。
このビザは1週間に28時間までのアルバイトが認められています。日本語学校に通ってる学生がちょっとバイトするのはアリって事ですね。
②高度外国人材
ほとんどの外国人のビザはこちらに当てはまってくるんですが、在留資格でいうと「技術・人文知識・国際業務」です。
全体の約9割ほどで、ほとんどがホワイトカラーのお仕事に就いてますね。
③技能実習生
在留資格は「技能実習1号~3号」。こちらは食品の製造だったり縫製工場だったり。農家や建築現場、ビル清掃なんかに就いている方が多いです。
④身分に基づく~
在留資格は「永住者」「日本人の配偶者」「永住者の配偶者」「定住者」の4種類。
このビザについては、出来る仕事内容に制限が無いのが特徴です。日本人と結婚すれば、もうそれは日本人みたいなモンですからねぇ。
⑤特定技能 ←こちらが2019年4月からスタート
在留資格は「特定技能1号~2号」。こちらは受け入れられる業種が介護や外食、それに宿泊業など14業種に限られていて、受け入れられる人数に対しても上限が設けられています。
ザックリ書くとこんな感じです。これ全部比較してたら大変なので、今回は『特定技能』と『技能実習生』だけにしときます。
『特定技能』と『技能実習生』の違い
特定技能とは
中小企業や小規模事業者をはじめとした深刻化する人材不足に対応するために、生産性向上や国内での労働力確保の為の取り組みをしても、全然集まらない産業上の分野で一定の専門性・技能を有し即戦力となる外国人を受け入れていく仕組みを構築する目的があります。
もっと簡単に言うと、とにかく何をやっても、どれだけお金をかけても人が集まらない(集まりにくい)仕事ってあるんですね。
そういうお仕事に限って、日本人には人気がない仕事なんだけど、無くてはならないお仕事だったりして・・・。
それでもうどうにもならないから『日本がダメなら外国人だ!!』という取り組みの事です。
外国人技能実習生とは
国際貢献・国際協力の一環として、発展途上国の若い人々を日本に招き、企業と雇用関係を結んで一定期間の技能実習を通じて技術・技能・知識を習得してもらう事を目的とした制度です。
こちらも簡単に言っちゃえば、発展途上国の発展を促進するような技術や知識を日本で働いてもらう事で提供し、自国に帰ってノウハウを生かして活躍してくださいね!という成語なんですね。
同じような言葉なのに、全然目的が違いますね。じゃあ外国人を受け入れるにあたってのメリットとデメリットはどこにあるのでしょう?
外国人労働力受け入れのメリット&デメリット
特定技能と技能実習生の受け入れのメリットとデメリットは多少異なります。
まず特定技能でのメリットは、ある程度の日本語力である事など外国人の中でも比較的質が高い人材を確保できる事。
『ある程度の日本語力』とはどの程度かというと、日本語検定のN4レベルまたは日本語能力判定テストに合格していて、さらに技能評価試験にも合格した方という事です。
N4というと、そこら辺の日本人と同等の日本語力がある事になります。
レベル表はコチラ→N1~N5認定の目安
また日本での就労経験や技能実習生としての経験があるという人材も多いため、日本の文化にも慣れている事が多いです。
じゃあデメリットはというと、特定技能の場合は技能実習生に比べ高い給料が必要です。
さらに書類の作成などは全て企業側で行う必要があります。(登録支援機関への委託も可能)
それに日本国内で転職が可能なので、職場環境次第では転職されてしまう恐れもあります。
また技能実習生のメリットとしては、3年(最長5年)の雇用が約束されるので、しっかり育てれば十分に戦力となる事。
それに非営利団体がサポートしてくれるので、外国人の管理がしやすいという点もメリットです。
また習慣が異なる人種を採用する事で、社内の教育体制の見直しが必要になり、結果会社の品質向上にもつがります。
逆にデメリットとしては、日本に行くと決まってから日本語を勉強する為、日本語レベルは低め・・・。
コミュニケーションが取りづらいです。カタコトの日本語で仕事をおしえなくてはいけないので、かなり消耗するようです。
またどちらで雇用するにしても、あちらの国で面接や選考をするため渡航のコストもかかる事は忘れてはいけないポイントですね。
受け入れられる業種・職種の違い
特定技能は下記14業種と決まっています(2019年現在)
- 介護
- ビルクリーニング
- 農業
- 漁業
- 飲食料品製造業(水産加工業を含む)
- 外食業
- 素形材産業(鋳造など)
- 産業機械製造業
- 電子・電気機器関連産業
- 自動車整備業
- 航空業(空港グランドハンドリング・航空機整備)
- 宿泊業
- 建設業(※2号含む)
- 造船・舶用工業(※2号含む)
それに対して技能実習生は80職種144業種(2018年2月時点)
※一覧はコチラをチェック→技能実習生制度 移行対象職種・作業一覧
尚、こちらの一覧に該当しているからと言っても、受け入れ出来ないものもありますので注意してください。
ボクが担当しているお客様では、食品製造は食品製造でも『おせんべいやおかき』だったので受け入れは出来なかったというケースもありました。
まとめ
特定技能と技能実習生の違いについてはこんな所です。比較するとこんな感じ。
これからの日本は少子高齢化がさらに加速し、国内で必要なだけの人材を確保しようとしても、どんどん難しい状況になって行くでしょう。
その為外国人の慮動力は必要不可欠となります。日本という国はまだまだ外国人に対して否定的な人も少なくありません。
手遅れになる前に、外国人の受け入れを検討してみてはいかがでしょうか?