サッカー日本代表

サッカー日本代表 U-22 キリンチャレンジカップ ジャマイカ戦マッチレビュー【2019年12月28日】

ジャマイカ戦アイキャッチ

こんにちは。聖一朗(@sei01row)です。

最近ブログの更新がサッカーばっかりになってきてるなぁと思いつつ、ジャマイカ戦を振り返ってみたいと思います。

いよいよ迫ってきた東京オリンピックに向けて、そろそろメンバー固めになってくる時期に、おそらく最後となるメンバー選考のテストマッチとなるジャマイカ戦。

なんと大量9得点!しかも無失点という試合をやってのけたU-22日本代表。

久保・堂安といったA代表組不在の中『俺だってオリンピックに出たい!』という強い気持ちを感じる試合となりました。

もちろんメンバー選考に関しては、今までの総合評価もありますしオーバーエイジなんていう厄介なものもあります。

この試合で結果を出したからって18人に残れる保証はありませんが、森保監督の胸中には強く印象に残った選手もいたはず。

ボクもいつもならフル代表の試合しか記事にしていませんが、今回はそんな後に控えたメンバー選考も踏まえてのマッチレビューをしていきたいと思います。

今回の選出メンバー&スタメン

選出メンバーはコチラ

GK
山口 瑠伊(エストレマドゥーラ)
谷 晃生(ガンバ大阪)
小久保 玲央ブライアン(ベンフィカ)

DF
中山 雄太(PECズヴォレ)
岩田 智輝(大分トリニータ)
大南 拓磨(柏レイソル)
岡崎 慎(FC東京)
瀬古 歩夢(セレッソ大阪)
小林 友希(FC町田ゼルビア)

MF
長沼 洋一(愛媛FC)
三苫 薫(筑波大)
旗手 怜央(順天堂大)
高 宇洋(レノファ山口FC)
岩崎 悠人(コンサドーレ札幌)
松本 泰志(サンフレッチェ広島)
杉岡 大暉(湘南ベルマーレ)
阿部 裕葵(FCバルセロナ)
福田 湧矢(ガンバ大阪)
鈴木 冬一(湘南ベルマーレ)
東 俊希(サンフレッチェ広島)
松岡 大起(サガン鳥栖)

FW
前田 大然(CSマリティモ)
一美 和成(京都サンガ)

森保ジャパンのいい所は、チームの成績や肩書を度外視して選手をテストするところですね。

例えば今回のメンバーでいえば、三苫や旗手といったJリーグ内定はしているものの、まだ大学在籍中の選手だったりJ2所属の選手だったり。

このような選手選考をしてくれれば、日本のサッカーのレベルはもっと上がっていくと思います。

なぜなら対象年齢であれば誰でもチャンスがあるわけですからね。

もちろん海外組やJ1組も必死でしょう。

でも今回の試合を見る限り、ある程度選ばれそうな選手と選ばれなさそうな選手の特徴が見えてきたような気がします。

森保監督の選考基準として言われている事は…

①複数のポジションをこなせる選手
②暑い夏でも最後まで戦い抜ける選手
③チームのために戦える選手

というのが打ち出されています。

①複数のポジションをこなせる選手

オリンピックに選ばれる選手はわずか18人。

その中でも試合は真夏ですので、ケガだけではなくともどんなハプニングが起こるかもわかりません。

そこを踏まえると、複数のポジションをこなせるというのは、とても大切なスキルとなります。

暑い夏でも最後まで戦い抜ける選手

暑い夏でも~というのは『どんな状況でも』と置き換えることが出来ます。

今回は日本での開催ですのでデコボコのピッチでの試合はありませんが、外部要因に左右されてパフォーマンスを落とす選手は選ばれないということでしょう。

例えば海外帰国組。

時差や気候の違いを理由には出来ないという事でしょう。

これも勝つためには必須のファクターを言えます。

チームのために戦える選手

これは『チームワーク』という一言で片づけられない意味があると思います。

選考には残れたけれども、最終的に1試合も出場できない選手だっているでしょう。

かなり前の話になりますけど、ガンバ大阪の遠藤保仁という選手は最初にワールドカップの代表に選ばれた時(確かドイツ大会だったかな?)、1試合も出場することなく終わってます。

それでもその後、日本代表には絶対必要な選手に成長していきました。

つまり試合に出る出ないは関係なく、常に中心にチームを置いて動ける選手という事なのでしょう。

最終的にどの選手が選ばれるのか?このような観点で見ていると、とても楽しみになります。

今回のスターティングメンバー

GK 山口瑠伊
DF 岩田智輝 岡崎慎 瀬古歩夢(3バック)
MF 中山雄太 松本泰志(Wボランチ)
長沼洋一 東俊希(ウイングバック)
旗手怜央 安部裕葵(2シャドウ)
前田大然(1トップ)

またもや3バックの布陣で来ましたね。

ボク自身は日本代表に3バックは向いていないと思ってます。

3バックの良くない点は、守備範囲が広がる事なんですが理論上はウイングバックが戻って5バックを形成する事でカバーすることになります。

これは日本より格下のチームに対しては通用するかもしれませんが、ヨーロッパの強豪チームとの対戦では役に立ちません。

3バックの場合、ウイングバックがやや高い位置にポジショニングするため、相手のカウンターの際は戻りが遅れることが多くなります。

一方4バックであれば、カウンターの際はボランチが戻る形になるためリスクが低く守れる利点があります。

3バックは熟成に時間がかかると言われてますので、クラブチームでの布陣には合っていると思います。

常に選手が入れ替わる代表チームではやはり4バックが妥当でしょう。

バリエーションをそろえておくというのは、戦術として適切だと思いますが3バックにこだわりすぎるのはちょっとツラいですよね。

A代表の現在のベストメンバーのように1トップに大迫、ハーフに堂安・南野・中島、そして4バック。

これが日本代表にとってはピッタリだと思います。

前半レビュー

序盤はお互いに様子見かと思われた前半の5分に早速試合が動きます。

右斜め45度、ペナルティエリアの外からのフリーキックでした。

ボールの前に立つのはゲームキャプテンの中山と阿部。

明らかにジャマイカは名門バルセロナの所属している安部に注目しています。

しかし蹴ったのは中山でした。

ボールはストレートにゴール左隅に突き刺さり、日本が早い段階で先制します。

今までワールドカップでも数回戦ってきたジャマイカからの得点はチームに弾みがついたことでしょう。

今回の試合は『いい時の日本代表』の特徴がよく出ています。

『いい時の日本代表』というのは、世界の強豪国に勝ってきた日本代表の事。

それは攻撃から守備への転換が早くてスムーズ。

前線から人数をかけて、高い位置でボールが奪えているという点でもそうなんですが、相手がパスを出した瞬間に受け手にプレッシャーをかけられているんですよね。

こういう事が出来ている時の日本代表は強いです。

そして積極的にウラを狙う動きが出来ている時。

ただディフェンスラインとの駆け引きでウラを取るのではなく、スピードの緩急能力の事なんですが、トロトロと歩いていた選手が急に走り出したらディフェンスはビクッ!とするじゃないですか?

そうやってディフェンスラインが釣られると、スペースが生まれるんですよね。

2点目がまさにそんなシーンでした。

16分、安部のスローインを松本が受けてサイドをえぐります。

中央で待っていた前田がディフェンスを引っ張り、2列目から駆け上がってきた旗手がダイレクトボレー!

綺麗な形で2点目を奪います。

その直後の17分、キーパーの山口がフィードしたボールを安部が粘ってキープ。

受けた旗手が右サイドの長沼にスルーパス。

ディフェンスが右サイド(ジャマイカの左サイド)に注目している中、センタリングに前田が合わせて3点目。

ジャマイカのディフェンスは、まるで安定してません。

シャドウの安部を意識しすぎるあまり、他の選手まで意識が行かない感じです。

これでは高校生と試合をしているかのように簡単に崩すことが出来てしまいます。

さらに19分、中央で受けた中山が今度は左に展開。

フリーでボールを受けた東がセンタリング。またもや前田がディフェンスを引っ張り旗手がシュート。これで4点目。

前田の飛び出しが早いため、ディフェンスは簡単に連れられます。点を取られたくない気持ちが出てしまい、中央にディフェンスが集中してサイドはほぼガラ空き状態。

そんなディフェンスに対して、ボランチの中山がよくコート全体を見て支持を出し、ボールを回していきます。

その後28分に安部のPKが決まって、前半だけで5-0。

ここ最近こんな試合は見たことがなかったですね。

今回のジャマイカが弱すぎるのもあるんですが、日本のいい所も随所に出ていたのもあります。

日本代表の負けパターンというのが、ボールを受ける選手が止まって受けようとする時。

当然パスコースも予測されやすいですからボールが通ることがありません。

それにボランチの展開力がない時。

視野の広いボランチであれば、まず攻撃の起点となりコート全体を見まわしてゲームをコントロールします。

A代表でいえば、柴崎や大島といった選手がこれに当たります。

ボランチ二人がどちらも守備的になるのが日本代表の負けパターン。

今回の試合は中山がゲームをうまく支配しています。それに選手が流動的にボールを受けようと動いているので、カットされにくくパスが通ります。

さらに高い位置からのディフェンスが出来ているので、前半はほとんど相手陣内での試合運びが出来ていました。

こうなるともう勝ちパターンです。

後半レビュー

今回はテストマッチなので、本来前半にリードしていると後半はペースダウンするんですけど、今回はアジア選手権のメンバー選考前の試合という事もあり、 攻撃の勢いが落ちる気配がありません。

後半開始早々の6分でした。安部がジャマイカ選手と交錯してラリアットを喰らいます。

主審もそちらに体を向けていましたし、本来なら1発退場もののファールでしたか、今回の審判は中国の皆さん。イエローカードでした。

そこで得たフリーキックですが、少々角度がありましたので、蹴った東はセンタリングだったと思われますが、そのボールがゴールに吸い込まれ6点目。

前半以上のゴールラッシュが期待されましたが、12分に前線の3人が交代になります。

前田に代わって一美、旗手に代わって岩崎、安部に代わって三苫が入りました。

この交代を機に『いい時の日本代表』に陰りが見えてきます。

もちろん交代だけが原因ではなく、ジャマイカも日本のスピードに慣れてきたという見方も出来るでしょう。

20分を過ぎたあたりでは相手に中盤を支配される機会が多くなってきます。

日本の陣内にも数回攻め込まれますが、ゴール前でジャマイカ選手がガツガツと当たって来ないため、危ないと思う以前にボールがカットできています。

しかし代わって入ってきた3人は、ウラを狙う動きが鈍く止まってボールを受けるようになってしまってます。

3人代えたことでジャマイカのマークが遅れるので、もっと決定的なシーンを作ってもいいはずなんですが、フィニッシュまでが遠くなります。

相変わらず攻め込んではいる為、コーナーキックが多くなるんですが、森保監督はこの試合で『コーナーキックをニアで合わせる』というのを課題にしているのが良く分かります。

26分、センターバックの岡崎に代わって高がイン。

高はボランチの選手なので中山がセンターバックに入り、高がボランチに入ります。

中山は前半から良い動きをしていたので、森保監督としても違うポジションでの彼をみたかったのでしょう。

ここからしばらくはストレスがたまる時間帯が続きます。

一美ですが、ディフェンスを引っ張る動きも出来なければウラを狙う動きも出来てません。

これはもう弱い時の日本代表のプレイです。

そして34分、森保監督は松本に代えて松岡、東に代えて鈴木を投入。左サイドの活性化を図ります。

それがいきなり結果として現れます。

交代の2分後の36分でした。左サイドを細かいパス交換で崩して切り込むと、瀬古がグラウンダーのセンタリング、それをニアで一美が合わせて7点目。

一美はゴールという結果を出しましたが、この結果を森保監督はどう見るでしょうか?

疲労と得点差で、だんだん士気が下がってきたジャマイカに対して、メンバー選考が控えている日本はまだまだ攻め立てます。

43分には岩崎がうまく抜け出してセンタリングを簡単に三苫が合わせて8点目。

しっかりウラを狙っていけばゴールにつながるという、後半の唯一綺麗な形のゴールでした。

そして最後は岩崎のPKで9点目を入れて試合終了。

一見すると快勝と言っていい試合でしたが、ボクとしては後半ストレスの溜まる試合展開でした。

見えた“勝ちパターン”とアジア選手権のメンバー発表

今回の試合と前回『東アジアE-1サッカー選手権』とを比べると、明らかに日本の“勝ちパターン”が見えてきたように感じます。

それはいかにボールをもらう選手が動いているか?という事。

そして高い位置でのディフェンスです。

今回の試合でいえば、前半登場した前田と後半の一美ではディフェンスラインとの駆け引きにおいても大きな違いがありました。

二人のプレイスタイルが違うと言ってしまえばそれまでですが、それであれば一美は選ばれる選手ではないという事になってしまいます。

日本のフォーメーションが1トップである以上、時には壁になる(ポストプレーができる)選手も必要ではあると思います。

大迫勇也も前線で体を張ってタメを作るところがストロングポイントの一つではあります。

でも大迫の場合は、さらにウラへ抜け出すプレイでも一流です。

ポストプレーか?ウラを取る動きか?どちらかといえば、ウラを取る動きの方が得点につながる可能性は高いです。

それはポストプレーは後ろを向いてボールをもらう機会が多いからです。

例えば古い話をすると、ゴン中山だったり岡崎慎司だったり、最近では浅野拓磨なんかもそうですが、まさに日本の得点の源でした。

そして相手がボールを出す時に、受け手に対してプレッシャーをかけてボールを奪う動きも、出来ているときは勝利しています。

その辺を総合すると“勝ちパターン”はこうなります。

日本代表勝ちパターン

◎ディフェンスは4バック
◎ボランチにゲームメイカーを置く
◎高い位置からのディフェンス
◎ウラへ抜け出すプレイの出来るフォワード

これが揃えば日本は勝利するでしょう。

試合を見ていれば、このパターンがハマったかどうかはすぐ分かります。

その辺を踏まえて代表戦を見ていくと面白いかもしれませんね。

アジア選手権のメンバー発表

そしてジャマイカ戦の翌日、オリンピック予選を兼ねたアジア選手権のメンバーが発表になりました。

GK
小島亨介(アルビレックス新潟)
大迫敬介(サンフレッチェ広島)
谷晃生(湘南ベルマーレ)

DF
渡辺剛(FC東京)
町田浩樹(鹿島アントラーズ)
立田悠悟(清水エスパルス)
岡崎慎(FC東京)
古賀太陽(柏レイソル)
橋岡大樹(浦和レッズ)

MF
相馬勇紀(鹿島アントラーズ)
森島司(サンフレッチェ広島)
田中駿汰(大阪体育大)
遠藤渓太(横浜F・マリノス)
旗手怜央(順天堂大学)
食野亮太郎(ハーツ/スコットランド)
松本泰志(サンフレッチェ広島)
杉岡大暉(湘南ベルマーレ)
田中碧(川崎フロンターレ)
菅大輝(北海道コンサドーレ札幌)
齊藤未月(湘南ベルマーレ)
田川亨介(FC東京)

FW
上田綺世(鹿島アントラーズ)
小川航基(水戸ホーリーホック)

なんと海外組は食野だけ。

基本的にはE-1サッカー選手権のメンバーをベースに選出されていますね。

今回のジャマイカ戦からは、2得点の旗手・ゲームキャプテンの松本・センターバックだった岡崎のほか、杉岡と谷が選出されています。

まぁ自国開催なので、オリンピック出場は決まっているわけですからこの中で誰を残すのかという大会になりそうです。

1次リーグB組に入った日本は1/9にサウジアラビア、1/12にシリア、1/15にカタールと対戦します。

相手は本気です。

このメンバーでどんな試合をしてくれるのか?今から楽しみです。